「阿波おどり」の世界発信目指す徳島大生、留学先から一時帰国  徳島の魅力再確認

フェイスブックではルームメイトとのやり取りをおもしろおかしく発信する小林さん(中央下)

フェイスブックではルームメイトとのやり取りをおもしろおかしく発信する小林さん(中央下)

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 徳島大学4年生の小林冬馬さんが5月24日、留学先の韓国から一時帰国し、約1週間の滞在を終え韓国に戻った。

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 小林さんは2015年2月、文部科学省の留学促進キャンペーン「トビタテ!留学JAPAN」の2期生として選ばれ、大学を休学して1年間の任期で韓国の「慶北(キョンブク)大学校」に留学している。

 「阿波おどりの世界発信」を自身のプロジェクトテーマに掲げる小林さんは、世界中の学生が集まる現地で今年3月から、阿波おどりの魅力発信のためのPR活動を行っているという。任期満了の帰国後は、「韓国で得たデータや経験を基に、日本で外国人観光客向けサービスの充実などを図りたい」という。

 「意欲と能力ある全ての日本の若者が、海外留学に自ら一歩を踏み出す機運を醸成すること」を目的に行われている同キャンペーン。2期募集では、四国4県で6人、県内では3人の大学生が選出されている。

 小林さんは「留学して3カ月がたち、現地では阿波おどりの伝え方、言葉などで非常に苦労している」と現在の心境を話す。一時帰国の理由は、「活動の難しさや行き詰まりを打破するため、徳島に戻り阿波おどりに関わる人たちと対話をするなど、現状確認をした上で自身の活動を修正するため」と明かす。

 徳島滞在中は、市観光協会や県観光政策課、鳴門市企画政策課などを訪れ、活動紹介や現状報告、協力依頼などを行った

 小林さんは「自分は神戸出身で、阿波おどりのプロでもなく、県民でもない。徳島の本質を知らないので、まずはそれを学ぶために一時帰国した。徳島の魅力を現地人にしっかり伝えるためのヒアリングをしに帰ってきた」と話す。

 「徳島には都会にないものがある。初めは田舎で何もない所だと思っていたが、さまざまな活動を通じて、人の心の豊かさを感じ知ることができた。ここにしかない生き方や暮らし方を、色んな人に知ってほしいという思いがあり、関わってくれた人たちに恩返しをしたいと考えている」とも。

 小林さんはヒアリング後の目標として、「200人以上の外国人に阿波おどりを発信する」「阿波おどりを日本人にも発信し、自身の影響力を持つ」「新しい見せ方を作り出す」の3項目を掲げ、「自分にできることから取り組んでいく」と決意を固める。

 「次の帰国はお盆時期に、阿波おどりを見せるため留学生たちを連れて帰って来たい」と笑顔を見せる。

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