徳島・神山町で2月16日、「隠された図書館」(神山町神領字西上角)が一般公開された。
同施設は「記憶の共有」をコンセプトに2012年12月に開設。「町民のみ利用可能な会員制図書館という取り組みが、町外の人たちにどのように伝わるのか」という思いから、管理事務局である「神山アーティスト・イン・レジデンス(KAIR)」が公開を企画した。
保管する本は全て寄贈書という同館。卒業、結婚、誕生、退職といった人生の節目に読んでいた本を主に保管する。「本を納める事ができるのは人生で3回」と決められ、町民だけが利用を許される。図書館を開ける事ができるのも町民のみで、鍵は各自が保管している。
事務局員の工藤さんは「町民同士の思い出を共有し、それぞれの記憶を思い出すための場所として機能している」と話す。「今回の企画はホームページでの告知だけだったが、町外から10組が見に来てくれた。今後も定期的に一般公開したい」とも。
町外から訪れた一般客は「森の中から突然現れる建物に感動した。外装も内装も、森になじんでおりファンタジーの世界に来たように感じた」「一般公開の機会を設けてもらえてうれしい」とほほ笑む。中には「オープン当初から図書館の存在が気になっていて、ウェブなどでずっと動向を追っていた。一般公開されると聞いて仕事を休んで神山に来た」と話す人の姿もあった。
見学などの申し入れはKAIR事務局まで。施設の場所などはホームページで確認できる。