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「きっかけバス徳島」、大学生44人が被災地から帰県

代表の斎藤さんを先頭に笑顔で到着ロビーから出てくる学生たち

代表の斎藤さんを先頭に笑顔で到着ロビーから出てくる学生たち

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 徳島・阿波踊り空港に2月22日、「きっかけバス徳島」に参加した同県内の大学生44人が被災地から到着した。

ロビーで円陣を組む学生たち

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 2月19日午後、徳島阿波おどり空港内会議室で出発式を行った後、羽田空港へ向かい、きっかけバスに乗車。被災地へと向かった学生たち。陸前高田でのボランティア活動や南三陸での講話、さんさん商店街(南三陸町)・南町紫市場(気仙沼市)の視察を実施。宿舎では見て感じたことを話し合う「ダイアログ」を毎晩行うなど、3泊4日の日程を終え徳島に戻った。

 この日、学生らは出発時から着用するきっかけバスのロゴがプリントされた黄色いベストを着用し、到着フロアへと降り立った。到着後、徳島チーム代表の斎藤智恵さんを囲み円陣を組み、解散のあいさつを行った後、一本締めで全日程を終了した。

 「きっかけバス」は、公益社団法人「助けあいジャパン」(東京都港区)が主催。47都道府県の学生に被災地で支援や防災について学ぶ場を提供するプロジェクト。

 斎藤さんは「行く前と後の表情が必ず変わると聞いていたことに半信半疑だったが、本当に表情が変わることを目の当たりにし、とてもうれしかった」とプロジェクトを終えた感想を話す。「今後も44人で動いていく予定。学んだことを徳島で生かすために、どれが実現可能で何ができるのかを見極めながら取り組んでいきたい。まずは報告会を何回もやりたい」と意気込む。

 四国大学3年生の金磯さんは、「以前から防災意識を高めたいと思っていたが、現地へ行き、口だけだったことに気付かされた。参加して本当に意識が高まった」と話す。「人との連携がとても大事だということを学んだ。日頃から、家族が今どこにいるのかなど、出掛け先などを把握する必要がある。実行したい」とも。

 徳島文理大学2年生の松下さんは「風化させないためにはどうすればいいかを見つける目標を持って参加した。現地の人たちは暗いと思っていたが、全ての人が明るくポジティブで、前向きだった」と驚きを話す。「生の声を聞く方がいいと思った。スカイプを活用したり、現地の人を呼んだりして、講話してもらう活動をしてみたい」

 震災前、気仙沼に住んでいたという徳島大学4年生の佐藤さんは「震災発生8カ月後に現地へ行ったが、そのころに比べて仮設商店街も店舗数が増え、以前より魅力的な街になっていると感じた。面白い人がたくさん集まっていて、生き生きとして見えた」という。「参加した学生たちが、被災地という観点ではなく、街として好きになってくれたことがうれしかった」と喜ぶ。

 コメントを求めた学生たちは「一歩を踏み出したことで得た成功体験が大きな自信となった。44人が一気に動けば何かが変わる気がする。行動を起こしていきたい」と口々に話した。

 3月21日には「シビックセンタ―」(徳島市元町)で、南三陸町復興ドキュメンタリー「ガレキとラジオ」の自主上映会を企画する「万代座」とコラボし、報告会と上映会を開催する予定。

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