徳島・沖洲の「マリン・エコラボ」(徳島市東沖洲2)で5月17日、鳴門ワカメを再利用した「ワカメ堆肥」のお披露目会が行われた。
2年ほど前に海の環境改善を目的に、兵庫県尼崎市で取り組みが始まったのを参考にした同プロジェクト。同県北部に位置し、生産量が全国3位の「鳴門ワカメ」に注目したプロジェクトメンバーが、「収穫後売り物にならず、廃棄されるワカメから同様の堆肥が作れるのでは」と実験を行った。
堆肥作りが行われたのは今年3月8日。鳴門市北灘町の粟田漁港で収穫・選定され、処分予定だったワカメ約270キロを譲り受け同所へ持ち込んだ。通気を良くするため、穴のあるブロックで区画を作り、直径20センチほどの通気用パイプを3本並べ、一面に敷いたワカメの上に満遍なく米ぬかをふりかけ、バーク堆肥をかぶせ、雨よけのブルーシートをかけ完成を待った。開始から約2カ月後、「鳴門ワカメの堆肥」が完成したという。
「海の汚染原因でもある窒素やリンを栄養として育つワカメを陸地で堆肥にし、堆肥で育てた食物を人が吸収し、排出した栄養分をワカメなど、海の植物が再度摂取する」という循環を作り出すことを目的とした今回のプロジェクト。今後堆肥を使って、菜の花やヒマワリなどを育てる予定だという。
プロジェクトメンバーの一人は「海の汚染物質をどれほどワカメが吸収しているか実数として計測することは難しいが、循環をわかりやすく表現し、楽しみながら学べるということにおいて、このプロジェクトはとても良い取り組みだと思う」と話す。