徳島・上勝町の「上勝百貨店」が11月7日、リニューアルのため一時休業し、来春にもクラフトビール醸造所を開設することが分かった。
日本で初めて「ゼロ・ウェイスト宣言」を行った同町に2013年1月、「ゴミを出さずに買い物ができる店」としてオープンした同店。米や豆、調味料や洗剤など、必要な物を必要な分だけ販売する「量り売り」を展開。地元の人たちの買い物の拠点として営業してきた。
今回のリニューアルでは、店舗名を「上勝雑貨店」に変更。場所を現地点から同町役場近くの「旧組合マーケット」として使われていた建物へと移転。来年初旬のオープンを目指す。現店舗は、全面改装を行い、飲食スペースを備えた「ブリュワリー」としてリニューアルを行う。
醸造するのは、同町内で収穫される「ゆこう」を使ったクラフトビール。「ゆこう」は、ユズやすだちに似たかんきつ系果実で県内生産量は全国シェア約99パーセントを誇り、うち約50パーセントが同町で生産されているという。主に、米酢の代替品や、ポン酢の原料として使われており、汁を絞った後に残る果皮(=ピール)の未利用資源の新たな活用方法として、「ゆこうビール」の醸造を計画している。
小麦麦芽を使用した「ヴァイツェン」で醸造予定の同ビール。販売方法には、クラフトビール発祥の地、米国での販売・購入方法と、同町のゼロ・ウェイストの理念の両方を実現するため、「通い瓶」を用いた量り売りを導入予定。「無理のないオシャレなエコ」をコンセプトに、県内外の飲食店との連携も目指すという。
ブリュワリーは、来春のオープンを予定する。