徳島・神山町の寄井商店街に1月15日、靴の店「LICHT LICHT KAMIYAMA(リヒトリヒトカミヤマ)」(神山町神領字北213、TEL 088-636-7920)がオープンした。
「神山塾」の6期生として昨年2月6日から半年間、同町で過ごした金澤光記さんがオーナーを勤める同店。サテライトオフィスなどが入居する、同商店街の電気店跡に出店。店名には、自身の名前にある文字「光」を、修業経験のあるドイツ語で現したもの。同町に敬意を込め、「KAMIYAMA」の文字を付け加えた。
愛知県出身で、医療系専門学校で足の悪い人のための整形靴をつくる修業をした金澤さん。ドイツ・ブレーメンで研修生として働くなどの経験を持ち、国内では神奈川や名古屋で靴作りを行ってきたが、独立準備を行うため退社。その後、妻の実家のある同県内の知人に同塾を紹介され、何かヒントが得られるのではないかと入塾を決意。半年間を神山町で過ごし学んだ。「田舎を選んだわけではなく、たまたま選んだ場所が神山だった」と当時を振り返る。
店頭では、オーダーメードシューズ、オーダーインソール、修理などをメーンに行い、メンズ、レディスともに取り扱う。オーダーシューズでは、「フルオーダー」と「パターンオーダー」の2種類から選べる。カウンセリングや、整形した靴を試し履きする「仮合わせ」など行い、客の好みに合わせて製作を進める。基本料は4万1,040円~(パターンオーダーの場合)。デザインや仕様により金額が追加され、約2カ月で納品ができるという。赤ちゃんの「ファーストシューズ」(1万800円)なども受注する。
独立に同町を選んだ理由に関しては、「名古屋ではダメだと思った。徳島ならできるのではないかと感じた」「人もよく、自営をしている人がたくさん周りにいて、自分の求めている雰囲気がここにはある。この土地で物づくりをすれば、そういった空気感の出る作品が製作できるのではないかと考えている」と笑顔を見せる。「この店舗を紹介され初めて見た時に、ここでならやれるというイメージが湧いた」とも。
今後の展開に関しては「神山の資源などを使って、新しい作品を作っていきたい」「目標は足の悪い人の靴も、デザイン性のある靴も作ること。何より、ボーダーのないシンプルを基本にした靴を製作していきたい」と意気込む。
営業時間は12時~19時(予約優先)。火曜・水曜定休。