徳島・あわぎんホール(徳島市藍場町2)3階大展示室で12月3日、鉄の彫刻家・武田亜希子さんの作品展が始まった。
幼いころから美術の先生になるのが夢だった武田さん。大学時代に取り組んだ銅線を溶接し、造形する線材の作品づくりに面白さを感じ、その後現在の鉄板を使った面材彫刻の魅力にはまった。徳島市立高等学校(北沖洲1)で美術教員を務める傍ら作品作りに取り組み、数々の賞を受賞してきた。今年3月に「第5回とくしま芸術文化奨励賞」を受賞。
2007年に同県で開催された「第22回国民文化祭 野外彫刻展」では、直径約4メートルにも及ぶ出品作品「宇宙時計」が同実行委員会会長賞を受賞し、現在はケンチョピアみなと公園(中洲町1)に常設展示されている。
同展では112坪のホールに、小さいもので重量1.5キロ、大きいもので400キロを超える総重量1.5トンの作品30点を展示する。
ドローイングやデッサンから始めて制作に約3カ月を要するという。「初めは紙を使ってイメージを形にしていく。その際、菓子箱などの中の仕切りが重宝する。アイデアが生まれた時は即手掛ける、自宅にはたくさんの紙デッサンが並んでいる」という。
「鉄の魅力はシャープさや爽やかさ、素材感。サイズもさることながら、実在するものと空間が創り出すその余白を見てほしい」とも。「黒かわをかぶっている色と、宇宙をイメージさせる存在感が好き」と笑みをこぼす。
開催時間10時~17時。観覧無料。今月15日まで。