徳島・川内町の「阿波木偶人形会館」(徳島市川内町宮島本浦)の1階展示場が全面改装された。1985(昭和60)年に人形師の初代人形健が阿波人形浄瑠璃の魅力を県内外に発信しようと私財を投じて開館。経年劣化で傷んだフロアや天井、壁紙などを貼り替え、入り口に自動ドアを設けた。館内では、人形浄瑠璃芝居の名場面や記念撮影用のジャンボ頭(かしら)など約100体の人形を展示している。
現在、初代の思いを引き継ぎ、2代目人形健として活動する多田弘信さんが館長を務め、頭の制作工程や人形のからくり仕掛けの解説をトークショー形式で行っている。トークショーでは桐の丸太から頭が仕上がるまでを、その工程ごとに数個並べて紹介。からくりについても美しい娘が瞬時に鬼に変る「妲妃頭(だっきかしら)」や立ち回りで真っ二つに頭が割れる「梨割り頭(なしわりがしら)」など、実際に操りながら説明する。
「からくり人形の仕掛けは、かつて人形師だけが知る技だったが、一般の人にも興味をもってもらおうと人形の制作過程やからくりの仕組みを紹介している。作り手の思いを伝えることで、400年以上続く阿波人形浄瑠璃や阿波木偶人形(あわでこにんぎょう)に関心を持ってもらえたら。古い人形の修理や阿波木偶人形の販売も相談に応じているので、きれいになった展示場にぜひ来てほしい」と呼びかける。
開館時間は9時~17時。日曜と第1・3月曜、12月30日~1月4日は休館※臨時休業あり。入館料は大人500円ほか。11月30日は「関西文化の日」で入館無料。