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徳島・美馬で伝統工法住宅見学会-県産スギ活用で地域貢献

普段見ることのできない棟上げ時のお披露目会を行った高橋さん(右)

普段見ることのできない棟上げ時のお披露目会を行った高橋さん(右)

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 徳島・美馬市内で6月8日、高橋利明建築設計事務所(阿波市阿波町)が施工する伝統的な「渡りあご工法」を用いた木造住宅の見学会が行われた。

県産スギと「渡りあご工法」を使った住宅

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 見学会が行われたのは、延べ床面積約104平方メートル(約31.5坪)の平屋建て住宅。徳島市内などから約20人が参加した。棟上げ時の状態で一般公開するのは珍しく、「工事が進むにつれ隠れてしまう箇所を事前にご覧いただくことで、しっかりした建物だということを知ってもらいたい」と同事務所代表の高橋さん。

 「木材に溝を作り、そこにもう一本の木をはめて組んでいく日本古来の伝統的な組み方『渡りあご』を取り入れた」という同建物。新しさを兼ね備えた木造住宅設計をコンセプトに、外観や内装は現代的なデザインを採用する。「伝統と新しい方法の組み合わせを提案することで、地域の大工さん、職人さんの仕事に取り組む姿勢に良い影響をもたらし、技術レベルの引き上げにつながれば」と笑顔を見せる。

 木材は、県内の林業に貢献することを目的に同県産の「スギ」を使用。「県内の木材を使った建物は気候にも適し、建物や住む人、地域にもやさしい」と高橋さん。「古民家に代表される木造住宅のイメージではなく、建物を現代デザインにし、若い人に向けた豊かな暮らしを提案したい」とも。

 同日、徳島市内から家族で見学会に参加した30代の男性は「高橋さんの作品を見たくて来た。家の真ん中にあるコの字型のテラスが魅力的。完成が楽しみ」とほほ笑む。完成は9月中旬を予定。完成見学会も開催予定。

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