徳島・神山町の「里山みらい」(名西郡神山町)で5月24日、SLOW FORUM「多様性が育む地方創世のカタチ」が開催された。企画は、「SLOW LABEL」。
アーティストと障害者施設や企業などをつなぎ、大量生産ではできない自由なものづくりやコトづくりに取り組む同団体が、「新しい福祉と地域ビジネスの可能性」をテーマに開いた同イベント。「新サービスなどが生まれる期待感」を込め、さまざまな企業や感度の高い人が集まることで知られ全国的に注目される同町を会場に、ワークショップや展示販売、トークプログラムなどが行われ、約100人が参加した。
トークプログラム1部では、「それぞれの現場で、いま起きていること」をテーマに、同団体ディレクターの栗栖良依さん、京都大学準教授の塩瀬隆之さん、四国のNPO事業や地域活動の企画・プロデュース会社の祁答院弘智さん、同団体徳島コーディネーターの梶原ひろみさんの4人が登壇し、プレゼンテーションを展開した。
2部ではディスカッションを予定していたが、1部での質疑応答が多数に及んだため、時間を延長するなど、参加者の関心の高さを物語っていた。
2年前から同団体は、NPO法人「とくしま障害者授産支援協議会」と共に天然藍染めの手法を用いてつくる1点ものの雑貨「BLUE BIRD COLLECTION」の商品開発を行い、全国展開を行う。県内での持続可能なモデルを目指すため、同イベントを企画した。
栗栖さんは「彼らの特性を生かした付き合い方、ものを生み出す方法、周りの人たちとつなぐきっかけを作りたかった」「活動を聞いてもらい、施設との付き合い方を知ってもらいたかった」と経緯を話す。「福祉に感心のある人も、そうではない人も多くの人が参加してくれた。ゲストが口々に、『誰かのために』から『誰かと共に』というキーワードを話していたことがうれしかった」とも。
参加した福祉施設職員は「アイデアに行き詰まっていたが、新しいことに取り組んでみようと思うきっかけができた」と笑顔を見せていた。