徳島県鳴門市大麻町で11月7日、国の天然記念物コウノトリの餌の確保を目指すボランティアチームの第2回研修会「淡水魚を学ぼう」が開催された。
ボランティアチームは8月、生き物調査やビオトープの整備・管理を行う目的でコウノトリの保護に取り組むNPO法人「とくしまコウノトリ基金」が募集した。参加者は休耕田を利用したビオトープで阿波魚類研究会の6人の会員から指導を受けた。
参加者は当日朝、ビオトープへ水を供給する用水路に設置していた定置網の引き上げを観察した。その後、ビオトープでの生き物採取に使うタモ網の使い方を習い、約1時間かけて泥沼のビオトープで採取した。
ビオトープではフナ、ドジョウ、タイリクバラタナゴ、メダカのほか、ギンヤンマのヤゴ、ウシガエルのオタマジャクシ、ザリガニを採取。用水路や大谷川ではマハゼ、オイカワ、ヤリタナゴ、カダヤシ、ブルーギル、モクズガニ、ドブガイのほか、多くの水生動物を確認した。参加者は、阿波魚類研究会の奥村大輝さんらから、用水路とビオトープの生き物の種類、在来種と外来種やその生態について学んだ。
大麻町から親子で参加した森涼子さん、浩太朗くん(小2)、淳平くん(年少)は研修会2回目の参加。浩太朗くんは「楽しかった。エビやザリガニが取れた」と笑顔を見せ、母親の涼子さんは「地元が大麻町なのでコウノトリはよく見る。水田の生き物を実際に取り、教えてもらえ良く分かった。子どもたちに身近に感じてもらえたと思う」と話した。
ビオトープや水路で採取した魚や昆虫について説明した阿波魚類研究会会員の奥村大輝さんは「皆さん、大変熱心に説明を聞いてくれた。コウノトリを育む、魚や虫についても知ってもらえる機会になり良かった」と振り返る。
今後、コウノトリ基金のボランティアは生き物調査やビオトープの草刈りなどの作業を行う。春ごろには再度、淡水魚の研修会を実施する予定。