小松島に世界水準のギャラリーを作ることを目指すNPO法人「Arts Shikoku」(小松島市金磯町)が8月18日~22日、デザインやアートを学ぶ学生を対象とした滞在型プログラム「アクションツーリズム徳島」を行った。
参加したのは東京芸術大学や東京造形大学の学生4人。開催目的について、同NPOの石原佑理事長は「東京は制作活動に使う素材が各地から集まる環境にあるが、集まってきた素材のルーツをたどれば、その土地から芽吹いて根付いた技術や文化も見えるはず。現地を訪ね、地方でのアートの可能性について考えるきっかけにしてほしい」と話す。
学生らは徳島の伝統工芸、阿波和紙の製造販売を行う「アワガミファクトリー」の見学や、ご当地グルメ「フィッシュカツ」の試食などを体験。20日には同NPOの活動拠点「マチラボ」で県内在住アーティストとの交流会にも臨んだ。
プログラムに参加した、彫刻家で鳴門教育大学准教の武内優記さんは昨年、創作の場を徳島に移した。「徳島に移住し、根源的なことを考えるゆとりができた。その土地にしかない本物の素材と出合うこともできた」と、地方で創作活動を行うメリットに言及。学生たちも「小松島は自然が豊かで、時間の流れがゆったりしている。この機会を活用し、自身の課題と向き合いたい」と期待を寄せる。
同NPOではこうした学生向けプログラムを継続し、アートを通して交流人口の増加を図り、市と協力し、アーティストなどの移住や二拠点居住のサポートも行っていく。