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徳島市職員がクリエイター視点を学び、市のSDGsの取り組みを発信するワークショップに挑戦

提供:Rethink Creator PROJECT 制作:徳島経済新聞編集部

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 徳島市の職員を対象とした「SDGs公民連携研修『Rethink Creator PROJECT』」が11月17日、徳島市役所13階第一研修室で開催され、各課から参加を申し込んだ有志14人が参加しました。

 この研修は徳島市とJT徳島支社の連携事業として実施され、徳島市と株式会社クリエイターズマッチ(東京都渋谷区)の共催、JT(東京都港区)が推進する地域貢献活動の「Rethink PROJECT」の協賛によって実現しました。

SDGs未来都市計画と公民連携の推進について

研修は徳島市SDGs推進室の上田室長とJ T徳島支社の濱村支社長の挨拶で幕を開け、研修の前半ではSDGs推進室の阿部主査から「徳島市SDGs未来都市計画と公民連携の推進について」というテーマでSDGs推進室の取り組みの説明が行われました。

開催の挨拶をするSDGS推進室の上田室長

挨拶をするJT徳島支社の濱村支社長

 徳島市では、「水とともに発展してきたまち」「ダイバーシティの実現に積極的なまち」「官民連携のまちづくりが進んだまち」という3つの特性を地域の強みと捉え、財政力の乏しい地方都市でも実現できる「SDGsのモデル構築」を目指しています。

 社会・経済・環境の3つの側面をつなぐ総合的な取り組みとして、「ダイバーシティと民間活力を原動力とし、人と人がつながる『水都とくしま』創造事業」の計画とその相乗効果への期待が語られました。

 続けて、SDGsを実現する仕組みづくりを公民連携で行う先駆的・実験的な取り組みや、具体的な連携事業の紹介、連携時のポイントについて説明がありました。

説明をするSDGS推進室の阿部主査

「Rethink Creator PROJECT」セミナー

 研修の後半では、クリエイターズマッチ社が全国各地で開催している「Rethink Creator PROJECT」セミナーが行われました。

クリエイタイズマッチ社の紹介をする大友さん

 「日本中のクリエイターの地産地消を~地元を誰かにまかせない~」をテーマとするセミナーは、地域の魅力を地元の人が発見・発信していくことで、持続可能な地方活性の一助となることを目指しており、「Rethink(視点を変えて考える)」して、それを形にする方法を体験しながら学ぶことができるセミナーとなっています。

 進行はメイン講師を務める石原佑さんと、地域講師を務めるクリエイターの白桃さと美さんの2人によって進められました。

メイン講師の石原佑さん

地域講師の白桃さと美さん

「Rethink=視点を変えて考える」 3つの方法

 セミナーの前半は、クリエイターの考え方を学ぶために「Rethink=視点を変えて考える」と定義し、誰もが簡単に実践できる「視点の変え方」が3つ紹介されました。

 まず一つ目は「FILTER=属性を見る」です。石原さんは徳島県の紹介時によく使われる「阿波踊り」と「スダチ」の写真を表示し、徳島の魅力として紹介しました。しかし、これらの情報は不特定多数に向けたみんなが知っている情報なため、魅力がぼんやりとしていて上手く伝えられていないと説明しました。

徳島の白地図から魅力を探す?

 そこで、白桃さんの伝えたい相手として「生物好きの甥っ子」を対象に挙げ、その子に伝えたい徳島の魅力として「恐竜の里」が紹介されました。決してメジャーではないスポットですが、伝えたい相手を具体的に想像することで、今まで気づいていなかった徳島の魅力を発見できるという事がわかりました。

伝えたい相手を説明する白桃さん

 その後も、「ラーメン好きの県外の先輩」には「徳島ラーメン」、「最近子供が生まれた元同僚」には「木のおもちゃ美術館」、「生物好きな幼稚園児の甥っ子」には「シオマネキの住む吉野川の河口」など、次々と具体的な徳島の魅力が紹介され、「誰に」「何を」伝えたいかという見方をする事でその人の属性に合った新しい発見ができることが理解できました。

 2つ目の視点を変える方法は「INSIGHT=内側を見る」です。ここでは、伝えたい相手に寄り添い「なぜこの人に伝えたいと思ったのか」その理由やメッセージを考えることで、情報発信したい内容のコミュニケーションの方向性が決まってくるといいます。

INSIGHTの説明

 最後の3つ目は「CAPTA=印象を見る」です。情報には、客観的で正確な数値などの「データ情報」と人によって感じ方の変わる「カプタ情報」の2つがあり、カプタ情報を意識する事でキャッチコピーに使える印象的な表現が見つけられる事を学びました。

 白桃さんのプロフィール写真を題材に「データ情報」で伝えた場合と、「カプタ情報」で伝えた場合を比較してみると、「緊張すると笑う」など「カプタ情報」で伝える情報の方が印象的で、その魅力が伝わりやすいという事がわかります。

「データ情報(左)」と「カプタ情報(右)」の比較

グループワークで学びを実践 「徳島の魅力発信」に挑戦

 セミナーの後半では、座学で学んだ3つの視点を変える方法を実践し、写真にキャッチコピーをつけて徳島の魅力を発信するポスターづくりに挑戦しました。

ワークショップのスタート

 題材となった写真は、「水都とくしま」「ダイバーシティ」「公民連携」をそれぞれイメージした3つです。職員は3つのグループに分かれ、それぞれに割り当てられた写真を使ったポスター作成に取り組みました。伝えたい相手を考え、写真からカプタ情報を見つけ出し、印象的なキャッチコピーを考えるという3つのステップでグループワークを進めました。

チームで意見をまとめる参加者

 限られた時間の中で、各グループでは活発な議論が行われました。各々が考えたアイデアを持ち寄りグループとしてのキャッチコピーが作成されました。

ワークショップの様子

チームで決めたキャッチコピーを発表する参加者

ライブデザインでクリエイターがポスターを完成!

 セミナーの終盤では、ライブデザインで各グループが作成したキャッチコピーと写真を合わせてデザインする作業を見ることができました。参加者の職員の皆さんは、キャッチコピーと写真の印象から、文字の大きさや配置を変化させる解説を聞きながらデザインが完成していく過程を食い入るように見ていました。

ライブデザイン中の白桃さん

デザインが出来上がるの見守る参加者

 セミナーで作成されたポスターはこちらです。

参加者の声 (アンケートの回答から)

  1. 「情報発信することで『誰に』『何を』を絞り込んで、視点を変えてイメージすることを意識して地域の魅力を伝えていきたいと思った。普段の仕事では体験できない、楽しい研修でした。ありがとうございました」
  2. 「最初は難しく、なかなか人物やカプタが思いつきませんでしたが、グループで最終的によいコピーができたと思います。面白い体験でした」
  3. 「視点を変え、対象を掘り下げることによって、より効果的で実践的な物を創り出せることを体感しながら知れたことは非常に良かったです。日頃の業務に十分活用できる考え方を知れて良かったです」
  4. 「実際にコピーを考えてみて、デザインまで見ることができて貴重な体験となりました。駅のキャッチーなポスターを見るのが好きなので、日頃から私も考えてクリエイティブな経験をつみかさねていきたいです」

「Rethink Creator PROJECT」セミナーを終えて

徳島大学 デザイナー実務家教員 石原 佑さん

 去年までの一般の方が参加していたセミナーでは、短いキャッチコピーが多かった印象でしたが、今回は市の職員さんが参加者ということで、しっかりとした文章になっている長めのキャッチコピーが多かったように思いました。行政の方が徳島をどのように見られているのかというような事も伝わってきましたので、特色のある面白いセミナーになったと思います。Rethinkというのは、見方を変えて物事を考えるという事ですので、SDGsを誰のために何を持続可能にするのかなど、様々な視点で考えることで今後の活動に活かしていただければ嬉しいです。

白桃さと美デザイン事務所 アートディレクター 白桃 さと美さん

 普段は一人で黙々と作業をしているので、コミュニケーションをしながら作業を見られるという貴重な体験でとても緊張しました。今日、このセミナーで学んだことは特別なことではなくて、日常生活の中で感じていることや視点を変えて気づくことで、誰もがアイデアを出す事ができてクリエイターのような事ができるようになると思います。是非もっと多くの方に体験してほしいと思いました。

徳島市企画政策部SDGs推進室 主査 阿部 知彦さん

 日々の業務の中では、時間をとって考えるという機会がなかなかないのですが、職員が集まってしっかり考えることの大切さを改めて感じました。SDGsの推進をしていくためには、情報発信していく能力は重要になっていくと考えられますので、このセミナーでクリエイターさんに教えていただけたことは非常に良かったと思います。今回研修を受けた職員を中心に、そのほかの職員にもRethinkの考え方や発想を伝えて広げていきたいと思います。

クリエイターズマッチ社 チームリーダー 大友 湧矢さん

 今回のセミナーは、市の職員さん向けの研修ということでしたが、Rethinkの考え方はデザイナーやクリエイターだけではなく、どんな方でも普段の業務に活かせるものだと思っています。自治体だからこそ、住民の皆さん全てに情報を届けたいという思いがあるのだと思いますが、そのために結局誰にも伝わらない情報発信になってしまっているという事もあると思います。このセミナーでは「誰に」「何を」届ければ効果的に情報を伝えることができるのかをワークショップを通して学べ、これからの情報発信に活かしていただけることを期待しています。

日本たばこ産業徳島支社 濱村 雅人支社長

 JT徳島支社は徳島で地域の課題に対して貢献できることはないかと常に考えていましたので、徳島市の推進するSDGsの取り組みには、JT徳島支社としても以前から共感しておりました。何か一緒にできることはないかということで、今回の研修を提案させていただきました。

 Rethinkというのは、これまで固定観念を持っていたものを、視点を変えたり、色々な角度で考えたりすることで、新たな発想を取り入れ進化させる方法だと考えています。時代の環境変化の激しい状況の中で、様々な意見を聞いたり、多様性を理解したりすることにもつながっていくように感じています。参加者の方が、すごく真剣にグループワークに取り組んでいただけたので嬉しく思いました。今回の研修が、今後の徳島のSDGs推進の一助になれば幸いです。

動画で学べるデザインカリキュラムを無料公開中!

 「Rethink Creator PROJECT」では、セミナーで学んだことを活かす挑戦の場となるコンテスト「Rethink Creative Contest(リシンク クリエイティブ コンテスト)」を今年も開催いたしました。今年度の募集期間は終了(12月9日まで)しましたが、来年度、ぜひ挑戦してみてはいかがでしょうか。

 公式ウェブサイトでは「学びの場」として動画のデザインカリキュラムも無料公開しています。「Rethink:情報編集」と「Create:デザイン」を約5時間の講座を通して学べますので、作品作りの参考にしてみてください。

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