徳島駅前の飲食店40店が地鶏の「阿波尾鶏」を利用した期間限定メニューを提供する「阿波尾鶏ポンド焼フェア」が9月25日、始まった。
期間中、参加各店が阿波尾鶏のもも肉1枚、約1ポンド(450グラム)を使ったオリジナルメニューを提供する。イベント終了後もレギュラーメニューとして提供するかどうかは各店の判断となる。
フェアを企画したフューチャースマイルトクシマ実行委員会は、徳島駅近くで「焼鳥居酒屋とりとり」を営む渕上眞行さんの呼び掛けに賛同した駅前の飲食店40店の店主らが集まり発足した。
同会発足のきっかけとなったのは、渕上さんが営む焼き鳥店を訪れた観光客の「徳島に来たら何を食べればいいの?」という一言だった。同店は徳島県が精力的にアピールしている地鶏「阿波尾鶏」を専門に扱っている。客がパンフレットを頼りに自分の店を選んだと思っていたが、そうでは無く、偶然立ち寄っただけだったということを知った渕上さんは、観光客との温度差や認知度の低さを改めて認識した。その時の悔しさを、近隣で同じように飲食店を営む仲間に話し、駅前全体で「おもてなし」をすることで、まちおこしや徳島の食材などの認知度アップをしたいと考えるようになった。
今年に入り、そごう徳島店の閉店や新型コロナウイルスの影響、阿波踊りの中止など飲食業界に大きな影響が出る中、徳島県は阿波尾鶏の生産者等を支援するため「県産畜産物活用型経済活性化事業」の業務を実施する事業者を募集。渕上さんらは、この公募事業に応募するため、これまでの考えを元に今回の企画を具体化した。
委員長の渕上さんは「阿波尾鶏は地鶏出荷羽数日本一だが、ネームバリューがそれに追いついていない。他地域の有名な地鶏に比べるとどうしても認知度が低い。このイベントをきっかけに、県内をはじめ全国のお客さまに阿波尾鶏を知ってもらえれば」と期待を込める。
同委員会では今後、「阿波尾鶏」だけに限らず、さまざまな食材を使った同様のイベントを行っていくことを目指している。飲食店が連携して、各分野の専門家が強みを生かして県内の食材のアピールや徳島県の魅力を伝える企画を行う窓口の役割を担っていく考えだ。
フェアは10月10日まで。