徳島・神山町の飲食店で9月6日、スダチメニューを食べ巡る「東京すだち遍路 徳島神山編」が始まった。
日本一のスダチ生産量を誇る同町の伝統文化を後世に伝えようと、里山の未来を創造する「里山みらい」が運営を行う同イベント。今年5月に開催した「神山ルビィ7人展」に続き、同町の農産物をPRするイベントとして企画した。
参加店舗は、「Yusan Pizza」、「茶房 松葉庵」、「粟カフェ」、「梅里」、「神山温泉 かわせみ」、「宮本製菓」、「岳人の森 勧月茶屋」、「道の駅 温泉の里 神山」の8店舗。各店が提案するすだちメニューを食べる毎に、スタンプが押され、集めた数により「温泉券」や「すだちセット」などがもらえる。
「農家とシェフのおいしい出会い」をテーマに、東京都内でも同様のイベントを同時開催する。今までつながりのなかった店舗を運営スタッフが新たに開拓。スダチの新しい使い方と、斬新な提案をしてくれる料理店に声をかけ、12店舗が参加。ホームページで各店のメニューなどを紹介し、期間中ページ内に掲載する「おすそ分けチケット」を提示すると、同町産のすだち3個をプレゼントする取り組みも行う。
スダチは、「かっこよく、感動があり、稼げる」の「3K」新農業を目指す、同町鬼籠野(おろの)地区の若手生産者グループ「みどり会」のものを使う。伝統を継承しつつ、IT農業を取り入れるなど、新たなチャレンジを行っている。
スタッフの古屋さんは、「農家は後継者不足という現状を抱えている。子どもたちに継ぎたいと思ってもらえるよう、今回のような、農家と料理人をつなげる取り組みを考えた」と経緯を話す。「都内店舗からは、『スダチは高級なイメージがあり、以前から使ってみたかった』という声ももらった。ゆくゆくは神山へ来てもらい、イベントなどもやってみたい。互いに行き来できるような環境構築を目指していきたい」と意気込みを話す。
同イベントに合わせ期間中、同県のアンテナショップ「ええもんあるでぇ 徳島」(中央区銀座1)では、1回100円の「スダチの袋詰め」イベントや、9月7日には「目黒のさんま祭り」で1回100円の「スダチのつかみどり」なども開催された。
開催は21日まで。詳細はホームページで確認できる。