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「レキシルとくしま」で古代体験 弥生時代の技術で銅鐸作り

弥生鋳造実演で銅鐸作りの説明をする小泉武寛さん

弥生鋳造実演で銅鐸作りの説明をする小泉武寛さん

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 現代の名工でもある鋳金家・小泉武寛さん指導の下、弥生時代の鋳造(ちゅうぞう)を体験するイベントが10月25日、「レキシルとくしま(徳島県埋蔵文化財総合センター)」(板野町)で行われた。

安都真銅鐸をモデルに銅鐸の型に鋳造する小泉さん

 事前に申し込みがあった28人が重要文化財「矢野銅鐸」の飾り耳の文様、渦巻文を参考にして、へらなどを使い鋳型にオリジナルの模様を慎重に彫り進め銅鐸型キーホルダー作りを体験した。次に、溶解した合金を鋳型に流し込む鋳造のため、芝生広場に耐熱レンガで組まれた溶解炉で、一般的な青銅合金の成分比で、銅、スズ、鉛の3種の金属を溶かし液体の状態になるまで熱した。

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 鋳造のため、溶解炉の中の合金温度が1100度以上になる。鋳造を体験した田川睦珠さん(中学1年)は「思ったより重くなかった。やかんを注ぐようにできた。けど、穴から漏れないか失敗しないか心配だった」と振り返った。

 参加者は、鋳型の温度が下がると型から作品を取り出し、余分な部分を切り落とし、やすりやペーパーで周囲を磨き仕上げる作業を行った。自分の作品の出来上がりを見ていた、小松島市から参加した夫婦は「銅鐸体験で好奇心がかき立てられた。図工の授業のようで楽しかった。帰宅してどのように飾るか楽しみ」とほほ笑む。

 徳島県埋蔵文化財センター専務理事の湯浅俊彦さんは「毎年10月末には古代体験まつりを開いているが、今年はコロナ禍で3密を避けられないため断念した。現在の名工である小泉さんに協力いただきイベントを開いた」と話す。

 鋳造実演として小泉さんは、徳島県で出土した安都真銅鐸をモデルに高さ約25センチ、厚みが1.8ミリの銅鐸と長岡京で出土した和同開珎を製作した。実演で作った2点は、製作技術などの情報を知ってもらうため研磨などをして完成させず鋳造したままで展示する。イベント終了後、「皆さまに楽しんでいただけてうれしい」と小泉さん。

 開館時間は9時30分~17時。入館無料。月曜・祝日と年末年始は休館。